ハリケーン・カトリーナ:岡田裕見子さんは無事でした。
地元紙"The Times Picayune"
文・藤田正
 いったいどれほどの被害になるのだろうか。
 ハリケーン・カトリーナは、ニューオーリンズほかディープ・サウスの広大な地域を襲った。かの地の取材ではずいぶん助けてもらった、現地在住の岡田裕見子(旧姓・岸本)さん一家も被災したかもしれないから、メールは届くのだろうか?と恐る恐る、お見舞いのメッセージを送ったのだ。嬉しいことに丁寧なメールが返ってきた。
 何しろ行政のホームページや主要なメディアもまるで機能していないのだから、ブラック・カルチャーが大好きで、貧しい地区の人々とも仲良く付き合っている岡田さんこのこと、もしニュースで流されている悲惨な状況に遭遇していたら…。
「とりあえず、私たちは安全なところにいます。毎日、あちこちの教会で食事をご馳走になったり、洋服を譲っていただいたり。町の人たちがあたたかい声をかけてくれ、励ましてくれます」という返事が来た。
 一家は、友人たちと一緒にハリケーンが到着する前に車で脱出し、今は田舎町のモーテルに宿泊しているという。ひとまず、良かった。
 だが、岡田さんの文面からも読み取れるように、なんとか命は助かったというだけだ。家から離れることもままならなかった人たちともなれば…。

 ニューオーリンズという港湾都市、ニューオーリンズを抱えるルイジアナ州、そしてその北にあるミシシッピ州…これらはアメリカン・ミュージックの「聖地」とも言える地域である。すなわち、ジャズやブルースを生み育んだ土地である。黒人が徹底的に弾圧され続け、その苦悩の上にこのような音楽の華が咲いた。
 テレビに映し出される、ハリケーンの直撃を受けた人たちとは、この文化を築き上げた人たちの末裔である。末裔の多くは、今もスラムに居て、今回のような災難を真っ先にそして一番深刻に受けることになった。50年代のR&B〜ロックンロールの大ヒット・メイカー、ファッツ・ドミノも、ニューオーリンズの自宅で被害に遭ったというから、おそらくこれからさらに辛い報せを私たちは受け取ることになるのかもしれない。
 ネビル・ブラザーズの連中はどうしているのだろうか? 
 トロイ・アンドリュース(トロンボーン・ショーティ)は?

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( 2005/09/02 )

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