ダンスホール・レゲエの最先端、エレファント・マン
Beats21
 マイティ・クラウンのセットが終わって午前2時となった。会場の大歓声に応えて、足元まで届く白く長いコートを着たエレファント・マンが舞台下手から現われた。
 バックにドラム、キーボード、ベースらの演奏陣が付き、同僚のDJたちも居並ぶ前で、彼エレファント・マンはマイクを握る。体格のいいブラックマン、後方へ束ねられたその頭髪は輝く金色だ。会場のいたる所から銃声が聞こえる。たくさんの男の子や女の子がオモチャのピストルを鳴らしている。エレファント・マンの一挙手一投足に会場が揺れている。
 レゲエDJとして見た場合、エレファント・マンは格別のスタイリストではない。徹底してドスを効かせ、露悪ともいえる個性を剥き出しにすることが第一義のレゲエDJにあって、彼のボーカルは「優しい」とすら言えるだろう。
 ただ、とても分かりやすい。しかも歌のポイント、ポイントにダンスが付いている。スキップ系、タオルを頭上でクルクル回すパターンほか、60年代のスウィム・ダンス…と、一つ一つを見ればこれも格別ではないのだが、直球型のダンスホールだけではなくスパニッシュ・ラテン、ソカ、インド系と次々にリズム・パターンを変えるエレファント・マンにあって、こういう見せ方は実に感情移入が可能なのだ。みんなを、さらに踊りたくさせる。
 カリブ海の黒人音楽の基本とも言うべき泥臭いリズムを、簡素な形にアレンジし直していたのも興味深かった。これは地域を変えれば、ルンバやマンボと呼ばれるリズム・パターンなのだが、そんなことをまるで感じさせずに観客にニュー・ダンスとして踊らせてしまうのは、彼の感覚が今、活き活きとしている証拠だろう。
 バラードの「オールウェイズ」や「スタンド・バイ・ミー」は余計。ラストの「ウィ・アー・ザ・ワールド」を歌う頃にはヨレヨレだったが、クスリが切れちゃったのかな?
(藤田正)
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( 2004/05/23 )

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