ラリー・ハーロウ、13名のフルオーケストラでバリバリのサルサ
 六本木に「ビルボード・ライブ」というクラブが新しくできて、ここにサルサの大御所、ラリー・ハーロウがやってきた。
Beats21
 10月31日の初日、それもまだ夕方という時刻から始まったファースト・ステージに行ってきたわけだけど、リード・ボーカルがアダルベルト・サンティアーゴで、ほかに上手いボーカリストが二人、舞台上手にはクアトロのヨーモ・トーロがいて、総勢13名。けっこう豪華だと思いました。
 彼らはヨーロッパ・ツアーを終えて日本へやってきた。
 正式名称が「ラリー・ハーロウ and THE LATIN LEGENDS OF FANIA featuring アダルベルト・サンティアゴ and ヨーモ・トーロ」。 
 ハーロウ、アダルベルト、ヨーモの3人、そしてトロンボーン&バイオリンのルイス・カーンはサルサの黄金期から大活躍した人たちなのだ(写真は左から、ハーロウ、ルイス、そして楽屋に駆けつけたカルロス菅野)。
 ファースト・ステージ。それは彼らにとってはリハーサルみたいなものだったろうけど、ハーロウのオーケストラはそれでも素晴らしかった。ブラック・キューバン命のハーロウだけに、スタートはワワンコーからスタート。今晩もヘビーなリズムで攻めちゃうからね、ということだ。で、1曲が長い。長くて、右に左にぐいぐいと我々をひっぱり揺さぶる。
 アンコールをふくめて計6曲。ファニア・オールスターズの「キタテ・トゥ」では、当然、ヨーモ・トーロのクアトロがフィーチャーされる。いつもの早弾き、ギミックたっぷりのプレイだった。
 印象深かった…というか、いかにもハーロウらしさが出たあの名演「ラ・カルテーラ」は、ルイス・カーンのバイオリンが登場。キューバのリズム、バンド編成のあれこれを、ハーロウの頭の中で再構築しなおしたこれぞサルサ! 見事なアレンジであり演奏だった。
 ちょっと心配だったのは、ヨーモ・トーロさんが楽屋など舞台裏では車椅子だったこと。彼は歩くのもままならないほどの状態と見たが、ステージでは頑張ってました。
 余談だけど、マンボラマTokyoの岡本郁生がハーロウにインタビューしたんだけど、なぜ日本では『ヘビー・スモーキン』しか出てないんだ!と立腹していたとのこと。
 それはそうだよね、初期の1枚だけで、本格的なサルサ時代の超名盤の数々はまったく再発されていないんだからなー。たのんますよ、ホンマに。
(藤田正)

amazon-『Heavy Smokin'』
amazon-『Hommy: A Latin Opera』
amazon-『El Judio Maravilloso』

( 2007/11/01 )

第4回「コザ・てるりん祭」を終えて 文・藤田正
音楽評論家・中村とうよう氏の投身自殺に寄せて:
博多でゴリゴリ、圧倒的なサンタナ・ナイト
「第3回 コザ・てるりん祭」 photo by 森田寛
世界から東博へ、役者が勢ぞろい。「写楽」展がはじまる
藤岡靖洋 著『コルトレーン ジャズの殉教者』を読む
東京セレナーデ Live at 赤坂GRAFFITI
祝・満員御礼:10.25「ディアマンテス結成20周年記念」
Introducing...エリック福崎を紹介する
お報せ:「ディアマンテス結成20周年記念ライブ」は定員に達しました
書評:長部日出雄著『「君が代」肯定論〜世界に誇れる日本美ベストテン』
書評:西原理恵子、月乃光司著『西原理恵子×月乃光司のおサケについてのまじめな話』
誕生釈迦仏がセイ・ハロー:「東大寺大仏 天平の至宝」展、始まる
イサム・ノグチの母を描いた力作『レオニー』、11月に公開
アルコール依存症の実状を正面から描いた『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』
ジャズ界のトップたちを率いて:大西順子『Baroque』Live
映画『瞳の奥の秘密』:現代アルゼンチンでいまも燃える「汚い戦争」の怨念
十代のジョン・レノンを描く:『ノーウェアボーイ』、11月5日から公開
きちじょうじのなつやすみ:河村要助の世界<その2>
上々颱風LIVE「デビュー20周年記念!スペシャル」を観て
ラリー・ハーロウ
10年目を迎えた打楽器教室「ブロンクス・パーカッション・スクール」
ラリー・ハーロウ、13名のフルオーケストラでバリバリのサルサ
10月31日、11月1日 しょうちゃんの蛇に三線/藤田正
表紙へ戻る