世にも奇妙なな日本歌謡アルバム:桃梨の『MMNS歌謡祭』
Peach Pear Records
 ボーカリスト&ベーシストという、なんだか変則的なコンビが「桃梨」(ももなし)だ。
 JIGEN(じげん)という男性がベースをぶんぶんうならせながら、そのそばで女性ボーカル(上村美保子)が堂々と民謡を歌っている…そんなステージが強烈な印象に残っている。
『MMNS歌謡祭』は、この桃梨が自分たちのレーベルから発売する最新作(セカンド)。予想どおり(?)、人を食ったようなジャパニーズな歌謡ショーで、でも不思議に心惹かれるのだった。
 ボーカルの上村は、テレビなどでナレイションもやっているので、その発音はとてもクリアでキュートな声質だ。そんな、いわば濁りのないスラリとしたボーカルが、まっすぐマイクに向かって歌うものと言えば、任侠風withドリフのズンドコ節、青春歌謡、祭り歌、70年代のロマン演歌、シャンソン…そうそうトラック12の「愛の人生」なんか、わざわざ声のトーンを落として、「マダム美保子です。今日はね、みなさんに聞いて欲しい曲がね…」と銀座のシャンソン・クラブをパロッたような語りで始まるのだった。
『MMNS歌謡祭』
 どの曲も、お尻なり股間なりがむずむずするようなミョーな感じがあって、でも1曲1曲はどれもほつれないきっちりとしたクオリティ(JIGENが責任者)だから、この二つがブレンドされると、聞き手の価値観というか、「音楽ってこういうもんだ」的な常識をチリチリと苛めてくれるアルバムなのだった。
 ラストには、宇宙人のお話(紙芝居)with ユーモア・フリー・ミュージックが登場!
 ちょっと&おっと!な、いいアルバムだと思います。
 参加メンバーに、世界のcobaさん(アコーディオン)、大熊ワタル、こぐれみわぞう(共にシカラムータ)、伊藤孝喜、河村博司(共にソウル・フラワー・ユニオン)ほか。
 2006年12月6日発売。
(文・藤田正)

桃梨公式サイト:http://www.momonashi.ne.nu/
amazon-『MMNS歌謡祭/桃梨』

( 2006/11/08 )

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