傑作登場! リトル・ルイ・ベガの初ソロ『Elements Of Life』
MAW rec./Cutting Edge
 マスターズ・アット・ワーク、ニューヨリカン・ソウルと、日本でも評価の高いプロデューサー、リトル・ルイ・ベガ(写真)が初めてのソロ・アルバムを発売する(2003年4月23日)。
 Blazeをフィーチャーしたタイトル・ソングや、サルサの故エクトル・ラボーに捧げた追悼曲ほか、カリブ海から南米、そしてアフリカと、その見事な構成力で多様なアフロ・ミュージックを一本の太い幹にまとめ上げた。
 アルバム『Elements Of Life』に登場するのは、先のブレイズのほかにRaul Midon、EOL Band Ananeなど。サルサの中堅シンガー、ドミンゴ・キニョーネスも起用され、味わいあるノドを披露している。
 最近のリトル・ルイ・ベガはバンドを結成して活動しており、この2枚組はその成果がフルに出た作品となった。冒頭はポエトリー・リーディングで注目されているUrsula Ruckerの朗読。その直後、エロティックなため息が繰り返される「ジャングル・フィーバー」がスタートする。
 小気味よい一定のリズムが途切れなく続いていくのが、このアルバムの特徴で、リズムをキープしながらも曲が変わるごとにバンドの編成、楽器、ボーカルが次々と変わっていく。ドラム・セットが西アフリカのジャンベ太鼓に変わり、ギターのリズム・カッティングがアルペジオへと変わればそれはコンゴ〜ハイチ音楽の世界。そして音楽は、いつのまにかブラジルへ。心地よく音楽の旅をさせるべガの構成力は見事だ。
 この聞きやすさは、楽器やボーカルの生なインタープレイを重視したからこそだろう。クラブ・シーンの旗手と言われるべガのこの姿勢は注目に値する。
 彼がただのDJではないことは、アルバムの白眉ともいえるサルサ〜アフロ・キューバンのメドレーにはっきりと記されている。彼の叔父にあたるサルサ最高の(そして最も悲しい死に方をした)シンガー、故エクトル・ラボーに捧げられた「キンボンボ」を中心とした数曲は、ニューヨークのプエルトリコ人ならではの味わいだ。エディ・パルミェーリウィリー・コローン・スタイルのトロンバンガ編成(もろに70年代の息吹)の熱演からは、彼が「ニューヨーク=スパニッシュ・カリビアン」生え抜きの「ミュージシャン」であることがわかる。
 日本でも大ヒットしたアルバム『ニューヨリカン・ソウル』を凌ぐ、見事に気持ちのいい作品である。
(写真は、彼が経営するMAWレコードのロゴ)
 
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( 2003/04/04 )

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