平良とみ&ショーロ・クラブ『ニライカナイ』
SICL9
 映画『ナビィの恋』やNHK「ちゅらさん」で全国的に知られるようになった沖縄のベテラン俳優、平良とみのアルバムがソニーから発売される(2002年5月22日)。
ニライカナイ』は、ウチナー口による1人語り。バックをショーロ・クラブがつけ、ところどころに登川誠仁古謝美佐子らの歌が登場するという好企画アルバムだ。
 平良とみの、あるいはウチナーのおばあならではの温かい語りは、沖縄好きなら誰もが知っていること。これを「ヒーリング・ミュージック」として聞こうという企画は、そろそろ登場してもおかしくない時期だった。
 ブラジルのショーロをベースにしたショーロ・クラブは沖縄にも縁は浅からずあり、この弦楽器トリオと平良とみのコラボレイションはなかなかに淡い雰囲気をかもし出している。アルバムの構成としては、平良とみが八重山をベースにした島の言い伝えや風景を沖縄の「芝居言葉」で語る。脚本は、平良とも交流の深い嶋津与志。平良はもともとは石垣島の出身だから、話のベースを八重山に絞ったのかもしれない。
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 本土の「標準語」がまじった「ウチナーヤマト口」よりも、本格的なウチナー口のほうがなんと言ってもよく、たとえば石垣島の悲話「石になった女」の後半、「祈り」ともいえる美しい語りが見事だ。この語りのあとに、鳩間可奈子大島保克による「つぃんだら節」がしずしずと登場し、さらに情緒を盛り上げる。
 登川誠仁は「ナークニー」と「与加那ヨー」のメドレーを、トリの古謝美佐子は「童神」を聞かせている。
 2002年度の沖縄レコーディングの中で、現時点においてベスト・アルバムの最有力候補。
 アルバムのタイトル『ニライカナイ』とは、海の向こうにあるという楽土」のこと。
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( 2002/05/15 )

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