キューバ音楽とジャズをつないだチャノ・ポソの集大成『El Tambor De Cuba』
TCD305/306-308
 キューバ音楽の伝説的なパーカッショニストとして知られるチャノ・ポソの録音と作品を紹介する3枚組アンソロジー『El Tambor De Cuba』(Tumbao Cuban Classics)が、日本でも手に入るようになった(2002年3月/スペインでは2001年の発売)。 
 チャノ・ポソ(本名 Luciano Pozo Gonzales)は、1915年にハバナで生まれた黒人で、天才的なパーカッショニスト/ダンサーとして当地で大活躍し、その後、ディジ・ガレスピーと共にニューヨークで「キューバップ運動」(バップ期のジャズアフロ・キューバンの融合)を推進した人物だった。
「マンテーカ」「ティン・ティン・デオ」「ブレン・ブレン・ブレン」ほかの名作も残したが、その気性の激しさゆえ、ニューヨークのバーで殺されてしまったという人物である。その時、彼はまだ33歳の若さだった(48年)。 
 アルバム『El Tambor De Cuba』は、1枚目がミゲリート・バルデスらマチートキューバ音楽の大物らによるポソの作品集。1939年のバルデスとカシーノ・デ・ラ・プラージャ楽団の録音から、ポソの死後、53年に録音されたバルデスとオルケスタ・エルマーノス・カストロの「シ・ノ・ティエネ・スウィング」まで23曲が収められている。
TCD305/306-308
 2枚目は、ポソ名義の録音と、ポソが加わったオルケスタ・オテル・ナシオナルなどの録音を集めたもの(1940〜47年)。 
 中でも注目されるのは、アルセニオ・ロドリーゲス、マチート、ティト・ロドリーゲスら、のちのサルサの土台をなした名手、名シンガーが一堂に会した1947年のコーダ・レコードのセッションだろう。すでにこれはLP時代にも復刻されている録音だが、何度聞いても素晴らしい。
 3枚目は、「Cu-Bop」の録音を中心にした1枚で、ディジ・ガレスピーやジェイムズ・ムーディ(ts)らの楽団に加わったポソが、ジャズマンにどれほど強烈なオーラやイマジネイションを与えたかを伝える(1942〜52年)。
 ラストは親友ミゲリート・バルデスや、夭折したキューバを代表する歌手、ベニー・モレーによるポソへの追悼歌で幕を閉じる。
 各CDの所々に、マリオ・バウサやガレスピーらのコメントも収録され、ブックレットは140ページ以上という気合いの入ったアンソロジーである。
 
Amazon.co.jp−Chano Pozo『El Tambor De Cuba』
 
 

( 2002/03/15 )

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