ポール・マッカートニーが、米・同時多発テロに触発されて作ったシングルを緊急発売する。
　タイトルは「Freedom」。イギリスでは11月５日に、アメリカでは同月13日に、緊急出動している消防士や警察官のためのチャリティ・シングルとして発売される。マッカートニーは、10月末に同様の「From A Lover To A Friend」を発売しており（日本では11月16日に東芝EMIから発売）、これでテロ関連の彼のチャリティ・シングルは２枚目となる。
　マッカートニーは、この突然の発売は打算的なことを考えたわけではなく、人々の要求にかんがみて予定を変更し、新しいシングルの緊急発売に切り替えたのだとしている。
　マッカートニーは、3000万ドルを超える収益を上げたニューヨークでのコンサート「The Concert For New York City」（2001年10月20日）の呼び掛け人を務め、大成功を収めた。「Freedom」は、この時に初めて舞台にかけられている。
　また、このコンサートの模様は、11月末に２枚組のCDにまとめられて発売される。

　CDに収録のアーティストは、バックストリート・ボーイズ、デスティニーズ・チャイルド、ミック・ジャガー、エルトン・ジョン、デイビッド・ボウイーほかを予定。
　収益はニューヨーク世界貿易センターの犠牲者のために設立された「ロビン・フッド救済基金」（The Robin Hood Fundation内）へ全額寄付される。
　マッカートニーは９月11日のテロ事件を、ニューヨークの離陸直前の飛行機目撃している。彼は、その時のショックと、その後の彼の行動を次のように語っている。
「世界貿易センターのツイン・タワーの最後を、私は目撃している。飛行機の窓ごしに、タワーが煙を上げ、炎を上げるのを見た。そして、誰もしもが感じたように、ここに起こっていることを信じることができなかった」と語っている。
「私は緊急出動した人々の勇気をおおいに賞賛する。私は彼ら消防士たちとのつながりを感じているの。なぜなら、私の父は第２次大戦のリバプールにおいてボランティアの消防士を務めていたからだ」

「アメリカはこの地上で、すべての人種、宗教をかかえながら成立している、最も偉大な民主主義国家の一つだ。そして９月11日の攻撃とは、その自由に対する脅迫なのである。これが、なぜ私たちが立ちあがりるべきかの根拠であり、そしてなぜ私がマジソン・スクエア・ガーデンの団結の舞台において、多くの仲間たちと並んだのかの理由なのだ」

　ポール・マッカートニーは、こういったチャリティ活動と併行して、11月12日に４年ぶりとなるソロ・アルバム『Driving Rain』（写真）を発売する。
　
The Robin Hood Fundation http://www.robinhood.org/#
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