ニューヨークの世界貿易センタービルにおける大惨事を予言したかのようなCDが、アメリカで発売されようとして、話題になっている。
　カリフォルニア州オークランドを拠点にするヒップホップ・チーム、ザ・クーThe Coup が完成させた『パーティ・ミュージック』（75 Ark）がそれで、問題はジャケット（写真）だ。
　メンバーのDJ Pam the Funktressがスティックを持ち、リーダーのBoots Riley（本名・Raymond Riley）が起爆装置を持ち、爆発を起こし火を吹くタワーの前でポーズを取っている。

　アルバムは2001年11月６日に発売が予定され、このジャケット・デザインは７月に完成していたという。
　ザ・クーは90年代の初めに結成されたユニットで、ブーツ・ライリーはその前に政治活動をしていたこともあり、左翼的なラップ・グループとして一部では知られていた。
　93年には『Kill My Landlord』というかなり攻撃的なアルバムでデビューしている。
　ブーツ・ライリーは、『パーティ・タイム』のジャケットで世界貿易センタービルを使ったのは、資本主義の象徴としてであって、現実のものとなってしまった悲劇を願ってのものでは決してないと、事件とグループの関連性を否定するのに躍起になっている。
　ジャケット写真は、彼らのホームページに載っていたが、事件直後に消されている。
　またジャケットも、急きょ、彼らのロゴだけのものに変更された（写真）。
　
ザ・クーのホームページ：http://www.75ark.com