かわむら・ようすけ。1944年生。成蹊中学・高等学校(吉祥寺)卒。
東京芸術大学美術学部(ヴィジュアル・デザイン専攻)を卒業のあと、グラフィック・デザイナーとして西武百貨店やパルコなどの広告制作を手がけ、1970年には、矢吹申彦氏、湯村輝彦氏と共に、今や伝説となった「100%スタジオ」というチームを結成し時代の注目を浴びる。
71年からはフリーランスとなり、『話の特集』『ミュージック・マガジン(旧、New Music Magazine)』といった当時の若者文化を代表する雑誌に表紙イラストやカットを提供、またニッカ「黒の50」キャンペーン、JRAポスターなど、たくさんの話題作、傑作を描いてきた。80年代に入っては、音楽専門誌『Bad News』の創立者の一人となり、イラストはもちろん細かなデザインもすべて一人で担当しこれも話題となった。
文筆家としては、
サルサを中心としたラテン音楽、ジャズなどに関する評論・エッセーには定評があり、特にラテン音楽においては筆頭の存在。
サルサは河村氏のイラストと文章によって日本に広まったといっても過言ではない。
主な著作には『EXOTICA』『
サルサ天国』『
サルサ番外地』『にっぽんのえ』『Jungle Book』「Joyful Tokyo」などが。
これまで日本グラフィック展最高賞、東京ADC賞、日本のイラストレーション作家賞など、日本におけるイラストレーションの主要な賞は、すべて受賞。
(文・藤田正)