ブギー・マンは、94年に「パチンコ・マン」のヒットを飛ばしたジャパニーズ・
レゲエのDJである。その後、レコーディングとしては大きな大きな動きはなかったようだが、今回、ポッコリとミニ・アルバムがメジャーから発売された(2002年7月24日)。
『ミュージカル・ディーラー』は、ソニーから出された作品で、徹底してつぶしたガラガラ声を「武器」に、ボーカルを叩きつける。
彼は典型的なダンスホール系であり、このようにアクの強い声だから、今の
レゲエに馴染んでいない人には拒否反応があるかもしれない。
だが、何度か聞くうちにこのエグさが、ちょっとした魅力に変わってしまう。
例えばたたみ掛ける言葉が炸裂する「BUSS WI BUSS」は、イカサマなミュージシャンをオレたちがぶっ飛ばしてやるという勇ましい曲だが、ぎゅうぎゅうに詰めたボーカルは気がつくと破戒坊主の念仏のようだ。浪曲が姿を変えて21世紀のここに出現と思わせるほどに面白い。
また「I don't wanna be your friend」は、他人の彼女と一度だけ関係したブギー・マン氏が、女は醒めているのに自分一人だけ盛り上がってしまうという物語。
もうどんなことでもすると求愛し続けるのだが、その中に「意外に繊細な自分に気付く」なんて文句を(あの声で)語ってみせるのだから、ひっくり返るほどに笑ってしまう。
レゲエDJを一度も聞いたことのない人に、特に勧めたいCDだ。
Amazon.co.jp−『ミュージカル・ディーラー』