ビースティ・ボーイズがスタートさせたレコード会社として知られ、アメリカのサブ・カルチャーに大きな影響を及ぼしてきたグランド・ロイヤルが、2001年８月31日付のプレス・リリースで突然の活動停止を発表した。
「負債が増加し、資産が目減り、加えて厳しい業績悪化のため、神々しきグランド・ロイヤル・レーベルは、そのドアを閉めることとなってしまった」
「緊急告知」と題されたレーベルからのメッセージはこのように始まる。
　ビースティのメンバーでありレーベルの共同設立者でもあったマイク・Ｄ（マイク・ダイアモンド）は、
「（レーベルの閉鎖は）これまで私たちが下してきた決断の中で、一番に困難なものだった。これまでグランド・ロイヤル・ファミリーは、最高のミュージシャンとスタッフを抱えるまでに成長した。しかしその成長がまた、それ以上もはや育てあげることのできない企業構造を生み出すという悲劇となった」という。

　グランド・ロイヤルは、白人ラップ・チームが世界的な成功をおさめたのち、メンバーが創設したレーベルである。ミュージシャン自身が経営するレコード会社としては、世界的に最も知られる一つと言ってもいいだろう。
　グランド・ロイヤルが本格的な活動を始めたのは1993年、ルシャス・ジャクソンの『In Search Of Manny』からだった。その後、ショーン・レノン、アット・ザ・ドライブ・イン、BS2000といったミュージシャンのアルバムをリリースし、このほかユニークな出版活動でも知られ日本にも支持者は多い。
「（レーベルに関する）我々の考えはいつも単純で、それはエキサイトな音楽とそれを作ることに情熱的である人たちの家となる、というものだった。自分たちがこれを続けられないなんで、本当にアホみたいな話だ」（マイク・Ｄ）
　（写真は、ビースティの最新DVD『ビデオ・アンソロジー』）
グランド・ロイヤル：
http://www.grandroyal.com/

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